<< お休みどころ 2003年7月23日(水) | top | お休みどころ 2003年9月10日(水) >>

お休みどころ 2003年8月12日(火)

  この夏はノミのことばかり話していました。こんなのまともな大人の話すことか? と聖好さんもため息をつくのですが、実際困るので仕方ありません。ノミについても大分わかってきました。当初は家の床下や屋根裏などからわいてきているのかとおもっていました。本を調べるうち、足に飛びついたノミを僕たち自身が運びいれているのだと気づき、ずいぶん見通しがよくなりました(7月25日)。家の外から内へ入るときには、手ぬぐいで体中はたいてノミを落とし、足元をチェックするようになりました。その結果、主なノミ発生地は納屋や前庭ではないかとわかってきました。
 しかし、それだけではノミ襲来をおさえきれず、夜寝ているときにしばしば刺され、夜4度起きたと聖好さんは連日訴えていました。そんなとき、聖好さんのおばさんから電話があり、聖好さんのお父さんもノミアレルギーだったことがわかりました。腫れがあまりにひどいので、阿蘇の家の土間の食卓に寝ておられたそうです。その話に着想をえて、「土間の食卓」に近いようなベッドはつくれないかと考え、聖好さんはいろりのやぐらごたつの木枠を2つ並べた上に寝るようになりました(8月2日)。
 それで少しはましになったものの、まだ昼夜ノミの攻撃が続き、考えあぐねていました。自分たちの持ち込みだけでは説明できないほど、ノミがいるのです。ノミはあまりすばしこくなくて、獲物をじっと待っていると僕はおもいこんでいましたが、その前提が間違いらしいと気づいてきました。ノミ侵入説の立場にたって考えてみると、土間がノミの侵入路らしいとおもえます。たしかに土間と前庭の出入口のドアは、いたってチャチなもので、敷居もなくドアの上下にすき間があります(注1)。いわば土間と前庭は陸つづきで、ここから侵入しているらしいと推測が立ちました。そこで敷居がわりに太さ10cmほどの角材をドアのところに置き、そのまわりにノミの嫌うホウ酸をふりまいてみました(8月11日)。ところが今朝、見てみると、ドアを閉めたときはいいのですが、開けたときノミが飛びこんできます。ノミは上方25cm、左右35cm飛ぶそうです。もっとしっかりしたバリアーが必要だと言うと、聖好さんが厚紙にビニール袋をまいてはどうかと教えてくれました。さっそく試作し、今日から立てかけてみています。土間を出るときまたぎ越えないといけませんが、家の内外に一線を引けた気がして、うれしいです。
 ラチがあかないノミとのたたかいですが、おもわぬ副産物もありました。『植物エキスで防ぐ病気と害虫』(八木晟監修、農文協)(注2)を参考に、聖好さんがつくったノミ除け液です(タバコの葉、トウガラシ、ニンニク、焼酎、酢など入り)。これがノミ除けにはいまいちですが、カビに効きます。梅雨以来青カビでベトベトしていた畳が、サラサラになりました。かゆみをおさえる効果もあるようです。
 タバコは、マダニに刺されたときにいいと地元の人から聞き、持っていたものです。おもわぬかたちで役に立ちました。他にも洗たくのときに出るせっけん液(排水)や、屋根のしっくい仕事後に出る石灰水など、ノミのいやがりそうなものを家まわりにまいています。おもしろいのは、タバコ液も石けん液も石灰水も実際に昔使われてきた農薬だということです(1700年代〜1800年代のヨーロッパなど)。思いつきで使ってみたものが、実際の歴史的な農薬だったと知り、びっくりです。ここ平谷に来て、農薬開発の苦労の一端に触れた気がします。
               興野康也


 ここ平谷地区は四軒。そのうち三軒が猫を飼っています。うち一軒はこのあいだまで三十匹ほど猫がいたという猫屋敷。それらの猫がここをよく「お休みどころ」として利用するのです。無理もありません。ずっと空家だったのだから。
 注1のような工事をした人も同じ地区の人。この人は、床下をみんなふさぎ、風通し悪くしてくれました。興野さんはひとつひとつそれらを解放しました。ところが前回も書いたように、ここがすっかり猫のトイレになってしまいました。でも、猫をうらむのは止めました。猫の気配のするだけでネズミはこわがると注2の本に書いてあったので。この本は名著です。たとえば、戦争のたびにナンキンムシは広がるとあります。七三一部隊は、ネズミノミを上空からまきペストをはやらせたのですから、戦争と痒み、切っても切れない縁。
 話を戻します。その大工さんにはノミと同じほど泣かされました。いまだに雨もりの修理をしつづけないと雨もりします。畳は26.5畳なのですが、一枚余分に請求してあります。そのことをついでの折に、畳屋さんにいうと、畳屋さんは大工さんに言ってくれたのですが、そんなはずは決してない(請求書にそう書いてあるのに)」ととりあってくれません。第一、見積書なしで(つまり、こちらの許可なく)私たちのいない三月に工事をし、突然請求書だけが送られてきたのですから。事のはじまりからズサンなのです。これで857,109円。「おまけしておく」といわれ850,000円。が、畳一枚分余分に払っているのですから、なにがおまけかしら。
 ま、いいでしょう。
 開拓者暮らしというものは、こんなものでしょう。
 貧乏には免疫がありましたが、ブト、ノミ、ダニなど「害虫」の類いにはなかったのでした。おもわぬところからほころびがゆくのが、人生というもの。
 そして、そのほころびが尊い経験であるのも。
 注2の本を貸して下さった才津原哲弘さんが「『許浚(ホジュン)』(論楽社で扱います。講座でもおなじみ朴菖煕(パクチャンヒ)さん訳)に『お休みどころ』という言葉がでてきますよ。不老長寿の薬草の生ゆる地を『お休みどころ』と呼ぶと書いてあります」と教えてくれました。不老長寿よりまずは痒み止め。来年はハッカ、ヨモギ、カヤ(これにはいまでも事欠きません)ニンニク、トウガラシなどを植えてみましょう。
 このからだが実験地。開拓地。
 ここに信を置く他ないような。
 そうそう。私は昼も夜も靴下(ノミ防止)をはきつづけ、水虫になってしまいました。きのうそれに気づき、あ。
               上島聖好
お休みどころ | 2003年のお休みどころ | 16:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
Comment









Trackback
URL:

11
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--