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お休みどころ 2005年11月22日 火曜日

 10/27〜11/16まで、「林洋子九州ツアー」を無事終了。グレッグさんは13ヶ所の公演にすべてつき従い、照明係を果たしました。
 当初は11ヶ所の公演。それが出会いの産物、2ヶ所増えたのです。ひとつは11/9、槻木(つきぎ)小学校。くねくねと山道を辿った先に、全校生ひとりの小学校があります。5年生の落合未己ちゃんを前に、洋子さんは「やまなし」と「よだかの星」を語りました。紅葉をそのまま映したような翁と媼もまじっておりました。校長先生が村の人たちによびかけたのでした。以前は、最大700人もいた小学校だったそうです。付近にはパチンコや映画館もあった由。
 「ヤマセミもいますから。」校長先生のその一言にむっくりと心はうごいたのですが、「いやぁ、1回しか実物を見たこたありません。」着いてまもなく言われて、ちょいとがっかり。
 語りがすすむにつれて、いよいよ照り輝く全山紅葉。「きょうは思い出に残りました。」恥づかしそうにうつむいて笑む未己ちゃん。「一生の宝です。」と深々とお辞儀をして帰ってゆかれた年配の女性。その人々の何人かが、次の最寄りの公演地まで、雨の夜にもかかわらず、片道1時間余の道のりを来て下さって、感激しました。
 そしてもうひとつのボランティア公演は、いそこさんの働く「老人ホーム」の「桜の里」。午後の「リクリェーション」の時間をあてて、お昼寝のかわりに集った老いた人たち30余人。上は102歳。もぞもぞする人をみたら、パッとかけつけ、眠りこける人がいたら、ぞろっと揺り起こすヘルパーさんたち。そんな方々を前に公演するのです。進むにつれ、おじいさんの顔が明るくなり、口もぽかんと開きます。「それから3日目の晩だった。」「なめとこ山の熊」を語る洋子さん。
 「はい」とおじいさん。かしこまって応えます。「それが、うれしかった」とあとで洋子さんは、はればれといいます。洋子さんにとって、このような場所は初めての経験だったそうです。「ものすごいエネルギーを使った。一生懸命きく人もいるけど、チョロチョロするヘルパーもいる。槻木小学校に集った翁媼とも違う。右肩がその晩から痛くなった。『行けぇ、行けぇ』と力をこめて送る。」と洋子さん。博士(おきののこと)の仕事もこのようなものか。お休みどころの平谷に住むというのもこういうことかとおもったそうです。
 11/12は、鹿児島市のどんぐりの家(無認可保育園、自然学校)で公演でした。山の斜面を利用した大きな空間に、ヤギ、ニワトリなどが飼われています。どんぐりの木にはブランコやらロープがつけられ、こどもたちが歓声をあげながら、遊んでいます。ひょいととびのり、ひゅうんと着地。一人が乗ると、もうひとり、ひとり。いつのまにか五人のこどもたちがひとつのブランコに乗ってさざめいています。蓮の葉においた水滴のよう。秋の透んだ風が吹き抜けてゆきます。
 私はできるだろうか。抜けられるだろうか。
 平谷にこどもたちの声が満ちることがあるのだろうか。そうおもっていると、「やりましょう。お休みどころの裏山に、こんな遊び場を作りましょう。川もあります。滝もあります。サワガニもいます。」智子さんが、ふいにあたたかな声をあげたのでした。その日、智子さんは10才と5才のお子たち二人をつれ、洋子さんと私たちのドライバーをひきうけてくれたのでした。
 平谷のさみしい大地を歩いてゆくと、出会えるだろう。「この道をとことこ歩いてゆけば、あの方に会える。」洋子さんはそう言い残して、旅立ちました。「これが私の原点だ。」
(上島聖好)

 この3週間、林洋子さんの世界で一つの人生を生きてきたと感じます。毎朝の体操、琵琶の弦を繰り返しの時間などの出前公演のための修行に感動しました。「これは見に来てくれる人たちへの愛だ」と洋子さんが僕に一回おこりました。会場に入って、直ぐ決断するのです。舞台はどこか。照明器はどこか。部屋を替えてもらうか。今まで縦しか使われていなかった部屋を横にするか。どこでも可能性があります。高いところを目指さなかったからのようです。「その場で、全部出して、終わるとワーと帰ってくる」と洋子さん。13ヶ所はそれぞれ大変でよかったし、それぞれ違いました。
 洋子さん、ありがとう。順子さん、勤子さん、阿部ちゃん、智子さん、小原さん、このツアーを実現して下さった皆様ありがとう。お休みどころの根を土に伸ばして下さってありがとう。土を生かしてありがとう。
(グレゴリー・ヴァンダービルト)
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