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お休みどころ 2004年7月1日(木)

  6月19日から25日まで一週間、鹿児島の堂園(どうぞの)メディカルハウス(日本初のホスピス型有床診療所)で住み込み看護助手ボランティアをしてきました。看護助手(堂園メディカルハウスではアソシエイターと呼ばれる)の主な仕事は、病棟のゴミだし、注射器や医療器具の滅菌・補充、入院前と後の部屋の片付け、シーツ交換、清拭(せいしき、お風呂に入れない人の体をふく)、足のオイルマッサージ、トイレ介助、入浴介助、食事の配膳などです。入院している人と体でじかに接する仕事が多いことにおどろきました。病院というと医療処置の場、というイメージがあったのですが、まず暮らしの場なのですね。ひとつひとつの医療器具も調達補充している人がいる。そういうあたりまえのことに感動します。
 作業の中で僕がいちばん好きだったのが、入浴の介助です。今回の滞在で、僕は生まれてはじめて目の前で人を看取ることができたのですが、その方(68歳、女性)が亡くなられる前の入浴介助に参加できたのでした。(女手ばかりなので男の人がいると楽、と喜ばれました。気分的に楽だそうです)。作業自体は重労働で、患者さんがベッドからストレッチャー、ストレッチャーから浴槽へ移動するとき、みんなで持ちあげないといけません。人手もいります(3〜5人くらい)。ですが、入浴されてから、手足のものすごい垢を洗いおとしていくとき、僕自身もすごく気持ちがいいのです。ふしぎでした。患者さんの娘さん2人もいっしょに参加したのですが、入浴は入院以来と喜んでおられました。足浴やオイルマッサージのときも感じたのですが、体でじかに接して人のよごれや凝りが落ちていくとき、喜びがあるとおもいます。
 その方は穏やかに、付添いの方ともゆっくり時間をもって亡くなっていかれました。一方、別の患者さんは激しい波のような痛みの中を、亡くなっていかれました。飛行機の着陸のようだとおもいました。病状は刻々変化して、把握するのはむつかしいようです。不慮の事態に備えながら手を打っていくホスピス医の仕事にも、魅力を感じました。
 堂園メディカルハウスでは余分な投薬や検査をせず、スタッフ数も多いので、お金の苦労は絶えないようでした。院長がうつ病に倒れ、外来収入が減ったあとは月500万円もの赤字になり、いまでもとんとんに持ちこむのがやっと。ある意味ボランティアだそうです。ちょうどそういうときに労働奉仕に行けたので、喜ばれました。忙しさにも波があるようで、患者さんも1人亡くなられると連なって亡くなられるそうです。今回は1週間に3人亡くなられました。
 来月からも通って学びます。お休みどころはボランティアの休養施設です。お金をどうやってつくっていくか、模索していきます。できれば医者として働ければいいですし、他にも塾の先生などを考えています。
              興野康也

 お休みどころの経済のことをたずねられます。お金持ちなのですね、とも言われます。お布施(寄付や母の残したわずかのお金)で運営しております。「そんな無茶な……」と親切な人。無茶を承知でここにやってきました。ここは、おきのさんが書きましたようにボランティア。かたちは違えど堂園メディカルハウスと似ています。では生産の拠点は、ということで、このごろのスッタモンダ劇(4月・5月通信)とあいなったのでした。
 お休みどころのはじまりは、島田等さんの見送りでした。島田等さんの「後見人」の宇佐美治さんから毎日のようにでんわで病状をきき、みんなで見舞い、支えあいました。1995年のこと。
 死者は無量の贈り物を生者に手渡し、おいていってくれます。
 死者だけではなく、シカもそうかもしれません。ここお休みどころの畑に――一年前まではカヤだらけのゴミ捨て場でした――カボチャだのトウガンだの、去年とっておいた種をまきました。実験のために時をずらしてみました。それをシカさんがポックリポックリ食べてくれます。足跡2ツきちんと残して。それを私は仏跡とよんでいます。朝晩、犬の散歩の折、落ち葉1袋を道端で拾い、畑にいれます。木酢液を100倍にうすめ、じょうろでまきます。土づくり、浄土づくり、仏さん、どうぞ、食べてください。ここは、野草園です。水の湧くこの地を、ただの野草園にしたいのです。よき土に、あたたかな土をと願いつつ。道端のクローバーやウツボグサ、ヒキオコシなどを移植しています。
 丈は2メートル。1人生えの巨大なゴボウの樹3本に、いま、アザミに似た小豆色の花が咲きそめました。おもいをかけると、こんなに大きくなるものなのか。どこまでゆくか見ています。不老長寿の薬草茂れる地を「お休みどころ」と呼ぶそうです。(大ママ伊っちゃん・岡部伊都子最新刊『朝鮮母像』の朴チャンヒ先生に教えられました)ただの草が私は好きです。
              上島聖好
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